‟吊橋マスター”第一の関門、大井川にかかる塩郷の吊橋~素敵なシーンウォッチング105

突然ですが、皆さんは高い場所はお好きですか?それも風が吹くと揺れる不安定な橋の上は?今回の素敵なシーンウォッチングは、高所恐怖症の方には決してお勧めしない、しかしスリル満点の吊橋を取材してきました!

川根本町には12の吊橋が点在しています。その中で大井川に架かる、海に一番近い場所にあるのが塩郷の吊橋。正式には‟久野脇橋”(くのわきばし)といい、旧中川根町の町制40周年を記念して2002年に‟恋金橋”(こいがねばし)という愛称も付けられましたが、現在は通称、‟塩郷の吊橋”という名で知られています。大井川に架かる吊橋で、民家・県道・大井川鐵道の真上に架けられていて、SLを眼下に楽しめる大井川流域で最長の吊り橋です。

この吊り橋、全長は220.4m、高さ10.4mの木造人道橋で川根町12の橋の内、一番長く、高所恐怖症の方は渡るだけでもとても気合いが必要になる一大イベントなのです。素敵なシーンウォッチャーズは以前、川根本町12の吊橋のひとつ、寸又峡取材の際‟夢の吊橋”を渡った経験がありますが、実はこの塩郷の吊り橋とは大きく異なる点があるのでした。状況説明の前にお話ししておきますが、素敵なシーンウォッチャーズは高所恐怖症です!!ですから、吊橋取材はどちらかというと避けて通りたいお題目だったのですが、今回ある理由でどうしても取材を敢行することになったのです。その理由は後述いたしますが、相違点は、吊橋から下を見ると当たり前ですが川があります。その川の状態が重要なのです!‟夢の吊橋”がある大間ダム湖は水深がかなりあり、加えてエメラルドグリーンの水面が美しく、もし何かの間違いで吊橋から落ちたとしても泳げれば難なく帰還できます!しかし、‟塩郷の吊橋“は、大井川の水量が少なく川底の砂利が露呈していてまかり間違えて(柵や金網で落ちることは決してありません)落ちたとしたら、そりゃー大変なことになるなーという状態(是非、動画でスリルを味わってください)なのです。加えて‟塩郷の吊橋”、橋の付け根は安定していますが、真ん中に進むに従って揺れが増していくのです。ときおり吹く風が橋を揺らしますから、居心地悪く景色どころではないのです。

ではなぜ、素敵なシーンウォッチャーズは高所恐怖症なのに、この‟塩郷の吊橋”に果敢に挑んだのか!それは川根本町まちづくり観光協会のHPにあるこんな誘い文句だったのです。「すべての吊橋を巡って、吊橋マスターを目指してみませんか?川根本町まちづくり観光協会では、川根本町の吊橋を対象にした特製の‟吊橋カード”を進呈しています。全12種類!」

吊橋マスター!!なんて言葉、生まれて此の方、聞いたことはありません。マスターとは、主人、所有者、上司、指導者、達人、修士、原本、習得する、極めるなどの意味を持つと説明されています。要するに川根本町にある12の吊り橋を渡ると‟吊橋を極めた人・吊橋マスター”に認定されるという!高所恐怖症の人にとっては、最高の汚名挽回、名誉獲得となるのです!そして特典までもがあります。なんと‟吊橋カード”なるものを頂けるというのです。入手方法は以下です。

①川根本町で紹介されている吊橋に行って写真を撮影する。②撮影した写真を観光協会スタッフに見せる。③吊橋カードを進呈!!(注意:吊橋カードは川根本町まちづくり観光協会窓口でのみの受付となります)

さて、その昔、大井川は氾濫が多く暴れ川として有名で、「箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川」と謳われた時代もありましたが、橋を架けることで人々は生活道を確保して、集落と集落を結びました。特に一級河川となるとそう簡単に橋は架けられなかったでしょう。川根本町にある12の吊橋は、今では観光名所となっていますが、その昔は命をつなぎ、未来をつなぐ文字通りの架け橋だったわけです。

今回の素敵なシーンは、集落と集落、人と人をつないだ吊橋を架けた人々の功績を辿る大井川に架かる‟久野脇橋”こと‟塩郷の吊橋”です。

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全長は220.4m、高さ10.4mの木造人道橋‟塩郷の吊橋”
国道から見上げた吊橋はスカスカで…吊り橋の下には大井川鐡道と県道が走ります。
ここからがスリルのはじまり、登り口の看板
いよいよ、覚悟して進んで行きます!
大井川鐵道本線と県道77号が真下を通り、SLが吊り橋ギリギリを通過します
高所恐怖症の人は景色どころじゃなく、下を見ると…
大井川の水が綺麗な故に、底まで見えて…
対岸から見た風景、ここまで来れたら‟吊橋マスター”
対岸にある‟恋がねの鐘”
高所恐怖症の人は渡れませんよー
吊橋だけでなく、ハイキングコースなど魅力満載の塩郷