日本唯一の水平天井のある鷲沢風穴の洞窟探検~素敵なシーンウォッチング97

ご存じでしょうか?静岡には数多くの洞窟があることを。富士山の麓には100以上の洞穴があり、それ以外にも広い範囲に渡り洞窟が点在しています。素敵なシーンウォッチャーズは探検隊ではないので、どちらかと言えば誰もが手軽に行ける絶景やご当地名物などが得意のジャンルなのですが、今回は洞窟探検隊になった気分で取材をしました。

静岡県には東海地方最大級の鍾乳洞(しょうにゅうどう)、竜ヶ岩洞(りゅうがしどう:素敵なシーンウォッチングFILE28で取材)、堂ヶ島天窓洞(どうがしまてんそうどう)、小堀谷鍾乳洞(こぼりやしょうにゅうどう)、滝沢鍾乳洞(たきざわ)、駒門風穴(こまかどかざあな)、岩波風穴(いわなみふうけつ)、室岩堂(むろいわどう)、百間洞(ひゃっけんぼら)など洞窟マニアには知られた洞窟がありますが、今回訪れたのは浜松市北区にある鷲沢風穴(わしざわふうけつ)です。

鍾乳洞は、海底でサンゴなどが堆積してできた石灰岩が地殻変動によって地上に隆起し、長い歳月を通して雨水や地下水に侵食されてでき上がった洞窟です。風穴(ふうけつ、かざあな)とは、山腹にあいている深くて長い横穴で、溶岩チューブ、溶岩洞(ようがんどう)とも言い、普通は火山の溶岩トンネルをさしますが、鍾乳洞をさしていう場合もあります。簡単に言うと鍾乳洞は石灰岩が雨水や地下水によって浸食されてできたもので、風が通り抜ける洞穴を風穴と呼んでいます。

鷲沢風穴は、日本唯一の水平天井(すいへいてんじょう)のある鍾乳洞で、真っ平な天井の岩盤‟水平天井”が特徴です。入口には小さな祠があり安全祈願してから洞内に入ります。大きな岩の切れ目から入るのですが、ヘルメットをかぶって入るという意味が分かりました。照明完備で足元もしっかり整えられていますが、頭上はちょうど頭がつかえるような天井高なので、ヘルメットがないとうっかり頭をぶつけて怪我をしてしまう事となります。内部は想像するよりも狭くはないのですが、それでも進んで行くと人がすれ違う事が出来ない場所があり、閉所恐怖症の人はちょっと無理かもしれません。

入口付近から水平天井が続き、手の届く近さ(触れることは厳禁)に鍾乳石があります。風穴と名付けられていますが、石灰岩のれっきとした鍾乳石があり日常では見られない光景が洞窟探検の醍醐味を味あわせてくれます。ですので、鷲沢鍾乳洞と名乗ってもよかっただろうと推測しますが、岩山から風が吹き出ていたことから風穴と名付けられたのでしょう。

高低差のある細い洞窟内は、手すりや階段などしっかりした通路が設置されていて、アトラクション的な楽しみ方が出来きます。長い年月をかけて水の力で作られた奇石や広い空間にある‟水神の池”‟親子池”など、様々な不思議な形をした非日常が散りばめられていて、このリアルな冒険感覚は、そこいら辺のテーマパークよりも楽しめること間違いなしです!出口付近には人が寝そべってしか入り込めない細い通路もありますが、残念ながらシーンウォッチャーズは無理せずチャレンジしませんでした。

全長180mを約20分で巡る洞窟探検の旅。年間を通して15度という洞窟内の気温は、背を低くしながら腰を屈めて歩いて行くと汗ばむくらいで、出口に付く頃にはすっかりケイブマンになっていました!

極寒の時期の取材で、吹き荒む風の中でのロケが連続している中、寒さを遮った心地よい空気が滞留している快適空間。今回の素敵なシーンは、冬は暖かく、夏は涼しい洞窟の醍醐味を教えてくれた鷲沢風穴でした。

PS洞窟の入口には、静岡県の湧き水100に紹介されている美味しく安全な名水‟鷲沢風穴の湧き水”(20リットル100円)や地元で採れた野菜や果物が売られている管理組合のお店があり、こちらもお勧めです。

http://shizuoka.mytabi.net/hamamatsu/archives/washizawa-fuketsu.php

ワクワク、ドキドキの洞窟探検、鷲沢風穴の入り口
入り口の左手には安全祈願の祠、右手は〝鷲沢風穴の湧き水“の販売所があります
入り口から続いている“水平天井“
登りや下り、洞窟体験のアトラクションが楽しめます!
自然の驚異とパワーを感じる岩の亀裂
洞窟の中央付近にある“水神の池“
鍾乳石が神秘の表情を見せる“水神の池“の全景
迫力ある岩の壁を伝って行きます
日常を忘れさせる別世界が待ち受けています
洞窟内部から見た洞窟出口
管理組合に飾られている発掘3日目の写真
管理組合で売られている地元野菜は見るからにおいしいそうです!