恋愛成就の伝説が生まれたパワースポット、西伊豆・恋人岬~素敵なシーンウォッチング90

恋人とは‟恋しく思っている相手”を指す大和言葉で、多くは相思相愛の間柄について言うが、片思いの場合にも用いることがある。(スクリーンの恋人という表現も、片思いの用例の一つである)とウキペディアに書かれていました。そんな甘く魅惑的な響きを持つ言葉‟恋人”の名が付いた岬があります。

静岡県伊豆市にある岬‟恋人岬”はその名の通り、恋人たちの聖地として多くの観光客が訪れます。もともとは‟廻り岬”と呼ばれる場所だったそうで、その当時から伊豆市では男女二人が互いに鐘を鳴らし、その愛を確認した場所として語り継がれていたそうです。

そもそもなぜ恋人岬と呼ばれるようになったのでしょうか?それは、この地にまつわる「およねと福太郎」の恋愛伝説にあります。その昔、土肥の朝市で知り合った村の娘、およねと漁師の福太郎はすぐ恋に落ちました。しかし2人が会うには険しい山を越えなければならず、毎日会うのは難しい状況でした。そこでおよねは、毎日近くの神社に通い神様に「福太郎」と結ばれるよう願いました。するとある日、およねの前に神様が現れたのです。神様はおよねに二つの鐘を渡しました。およねはその鐘を一つは自分で持ち、もう一つを福太郎に渡しました。それから毎日、福太郎が船で恋人岬の沖を通るとき、およねは福太郎に向い3回鐘を鳴らし、およねの鐘の音を聞いた福太郎が自分の持っている鐘を3回鳴らしあって愛を確かめ合ったのです。結果、村人たちの協力もあっておよねと福太郎は結ばれることになったそうです。このほのぼのとした昔の言い伝えが恋人岬の名前の由来です。

現在、およねと福太郎が持っていたとされる鐘は、恋人岬の先端の展望デッキにある‟愛の鐘”(ラブコールベル)に姿を変え、恋愛の成就のパワースポットとして人気を博しています。この鐘を3回鳴らしながら愛しい人の名を呼ぶと愛が実るといわれており、恋人達や観光客で常に賑わっているのです。更により絆を深め、愛を確認したいカップルの方は、恋人岬ステラハウスで「恋人宣言証明書」(ここで鐘を鳴らして遊歩道入口にある恋人岬事務局で恋人宣言証明書を発行してもらうと、絵はがきのプレゼント、バースデーカードの郵送の他、めでたく結婚にゴールインすると祝電が届くなど数々の特典が付与されるそうです)を発行してもらってください!

ここでちょいと注釈を付けさせてもらいますが、この恋人岬は決して若者専用ではありません。またカップル限定でもありませんので、勘違いなさらないでください!この恋人岬は展望デッキ向かう途中に分岐点があり、右に行くと‟金の鐘”に辿り着きます。別名‟幸せの鐘”とも呼ばれており、伊豆市の恋人岬とグアム島にある恋人岬(プンタン・ドス・アマンテス)が姉妹提携を結んだ際に、グアムから送られたものです。ここでの撮影ポイントは、金の鐘の右隣にあるメガネ記念碑。円形のオブジェで、晴天時には穴を通して富士山を見ることができます。さらに富士見遊歩道と木製デッキを進んだ先の‟愛の鐘”がある展望デッキは180度を超える絶景パノラマが拡がり、富士山や駿河湾を一望できるので、伊豆観光の記念撮影ポイントとしてお勧めです。

老い先がそう永くない今まさに枯れようとしているシーンウォッチャーズは、恋人と言う言葉には残念ながらリアリティーを感じられませんでしたが、この恋人岬を訪れていた恋人たちを見てほのぼのとした幸福感を得たのです。今回の素敵なシーンは、恋人岬を訪れる‟リアルな恋人たち”なのでした。

鐘を3回鳴らしながら愛しい人の名前を呼ぶと愛が実ると言われている‟愛の鐘”ラブコールベル
伝説と観光が共鳴した結果、生まれたこいびとみさき?
すさまじい数のラブ絵馬が飾られていました
恋人岬ステラハウスで購入できるハート型の絵馬
2015年にリニューアルしたボードウォーク、少々きついです
金の鐘とメガネ記念碑
メガネ記念碑を覗くと晴れの日は富士山が見えます…この日は曇り…
ラブコールベルと同じく、3回鳴らしながら愛しい人の名前を呼びます
デッキにある恋人像‟アモーレ”は、伊東市にゆかりのある彫刻家、重岡健治さんの作品
恋人岬の入口にあるI love youのハンドサインとなるモニュメント像
駐車場で出会ったフレンドリーな猫ちゃん…首輪がないので名物猫店長の‟らぶにゃん”とは別猫?