クワガタとカブトムシがいたエンドレスサマー~素敵なシーン・ウォッチングFIEL74
夏が終わろうとしています。今年の夏はどんな想い出が生まれたのでしょうか。こんな時だからこそ、楽しいことを心に残したいものですよね!
子供の頃の夏休みを想い返すと、毎日のラジオ体操、友達とプール、井戸水で冷やしたスイカ、夜になると田んぼで蛍を見て、真っ黒に日焼けして朝になったらまたラジオ体操…しかし大人になって、夢中で夏を楽しんだ子供の頃の様な夏休みは過ごせなくなりました。そこで今回の素敵なシーンは子供の頃に戻って、夏休みを思いっきり楽しんでみるをテーマに山に入ってクワガタを捕獲する‟クワガタ捕り“にチャレンジしてみました。
子供の頃の夏休みのワンシーンの中で、忘れてはならないアイテムの一つに‟クワガタ・カブトムシ捕り“があります。友達と近くの山に行って、クワガタやカブトムシを捕る。大人にとってさほどたいしたことではないけれど、子供にとっては一大イベントです。またクワガタやカブトムシは、“心躍る珠玉の逸品”なのです。
と言っても、クワガタ捕獲について何ひとつ知らないシーン・ウォッチャーは、今回、心強い助っ人を呼びました。子供の頃からクワガタ捕りに勤しんで、現在もクワガタの捕獲・飼育・ふ化までを趣味としている西川貴大(たかとも)さんに、クワガタ捕りの指揮をお願いしました。
まずクワガタ・カブトムシのいる場所ですが、たかとも先生曰く「クワガタやカブトムシがいるのは、川や水場が近くにありクヌギなどの広葉樹の林がある雑木林や森林になります。彼らが好むクヌギの樹皮表面はゴツゴツとしていて肉厚です。樹液も濃厚で発酵するとかなり強めの甘酸っぱい臭いがします。以前はシロスジカミキリが産卵のために傷つけたところから樹液が沁み出すことが多いとされていました。しかし最近の研究で、ボクトウガの幼虫が樹幹を穿孔して食害する際に樹液を浸出させることが発見され、そこにクワガタやカブトムシが集まるのです」と説明していただきました。
捕獲場所の条件が分かったところでさっそく出発!と思ったのですが、たかとも先生に「山に入る準備が必要です!」と注意され、長袖長ズボン、長靴に軍手、懐中電灯に捕獲網と虫かご、虫よけスプレーとピンセットを用意しました!「山の中は危険で、クワガタやカブトムシがいるところにはマムシやスズメバチなどもいます。充分な装備をして出来るなら一人ではなく、二人以上で山に入ってください」と注意をされました。
朝早く出発。お目当ての雑木林に入り、何本目かのクヌギの木の幹の一部から樹液がしみ出ている木の穴(ウロ)に、いました!コクワガタです!次の木にはヒラタクワガタです!
たかとも先生は、「クワガタ捕りはワクワク感が堪りません。クワガタを捕りに山の中に入って行くと初心に戻り、ドキドキした子供の頃が蘇るのです。そして一番高まる時は、木の幹にクワガタがいて、黒いお尻が見えた時、これは大きいぞ!と思った瞬間ですね!」とその笑顔は子供そのものでした。
この日、コクワガタ、ヒラタクワガタとカブトムシのつがい、そしてカミキリムシを捕獲してもらいました!(シーン・ウォッチャーはゲット出来ず)
たかとも先生は「小学生を持つ最近の親世代は、クワガタ捕りをする人は減っています。ですから今の子供はクワガタの捕り方を知らない子が多いです。画面を見ただけで商品が何でも買える世界じゃなくて、自分で考えて行動して初めて色んな感情が生まれて、個性と言う世界が作られて行きます。まず、親が体験して、それを子供と共有することが今の時代に必要だと思います」と近所の子供たちにクワガタ捕りの魅力を教えるために一緒に山に入ったり、繁殖させたクワガタをプレゼントしたりして、仕事の合間を縫って‟夏休みの想い出作り“のお手伝いをされているのでした。
今回の素敵なシーンは、誰に頼ることもなくこつこつとひとりで、自分のポリシーを信じて子供たちにワクワクを伝える‟よきクワガタのお兄さん“、西川貴大さんの活躍です。
夏は終わろうとしていますが、熱き心を持つ人たちの夏は終わることなく、エンドレスサマーに突入します。まだまだ静岡の夏は続きそうです。