“スベル”という事はどんなに恐ろしいことか、身をもって教えてくれる金谷坂・旧東海道石畳~素敵なシーン・ウォッチングFIEL67
時は東海道制定の頃。東海道・金谷坂にあるぬかるむ山道に、幕府は旅人達が歩き易いように敷石を並べることを命じました。そこが、現代に受け継がれた金谷坂に残る、杉林の中に敷かれた石畳の道です。実際歩いてみると、わらべ歌「とおりゃんせ」の語りの様に‟行きはよいよい帰りは恐い“を実体験したのです!
この金谷坂は僅か30メートルを残す以外は全てコンクリートなどで舗装されています。
ですが、平成3年、旧東海道金谷坂石畳入り口から諏訪原城跡に至る延長430メートルを約71,000個の山石を使って復元されたのです。加えて、平成13年には「石畳菊坂助郷伝
説」と銘打ち峠の西側の菊川坂に山石が敷かれ、611メートルの石畳が復元されました。坂の途中には六角堂地蔵尊(ろっかくどうじぞうそん)別名“長寿・すべらず地蔵尊”があります。このお地蔵様・六角堂・鞘堂も、この地の町民の方々により据えられたもので、すべらず地蔵のいわれは、ここの石畳は“すべらない”という特徴から、受験や商売など何事も願いが叶うということからきているそうです。しかし正直、現在は敷石に苔が生え、特に下りは最高に危険で、今の梅雨の時期は間違いなく“滑り”ます。
さて、この金谷坂ですが、滑らないようにと謳いながら実際はとんでもなくヤバイ滑り方をする名所で、“話や笑いを生業にする人々”にとっては、あってはならない場所だと思いました。しかし、この坂の存在を体験すると、“滑る”ことの怖さが身につき、自然と身体が滑らない方へ己を導いて行くという、深い教えがこの坂にあるのだとも気づきました!
受験生もそうですが、この金谷坂は“しゃべることを生業とする人の聖地”として、しゃべることに携わるすべての人に、すべらず地蔵尊御参りすることをお勧めしたいと感じた次第です!
PS もちろん、素敵なシーンウォッチャーズはお参りし、転倒も体験しております!