事任八番宮の魔法の言葉「願いが‟言のまま“に叶う」~素敵なシーン・ウォッチングFIEL66

子供の頃、読み聞かされたディズニーの「アラジンと魔法のランプ」は遠い国の話だと思っていましたが、大人になるに連れて世界中の誰もが思う、人間の本質なのだと感じる様になりました。願いは人それぞれに違いますが、その願いが叶うというのは、人間が持つ万能の欲望なのです。 

 今回の素敵なシーンは、静岡県掛川市八坂にある事任八幡宮(ことのままはちまんぐう)です。「事任」は「ことのまま」と読み、その名の通り、祈願したことがことのままに叶う神社として、老若男女問わずパワースポットになっています。 

 創建時期は定かではありませんが、社伝では成務天皇の頃から真知乃神(まちのかみ)、任事神社(ままのことじんじゃ)などと呼ばれ、大同2年(807年)、坂上田村麻呂が東征の折、桓武天皇の勅命によって、すぐ北側の本宮山から現在地へ遷座させたと伝えられています。

以前に取材した東海道の難所、小夜の中山の西側の麓にあたることや、‟ことのまま“という名称が‟願い事が意のままに叶う”といった意味を持つことから、旅の安全や願い事成就を祈るため旅人が立ち寄った当時から人気の場所だったのです。 また、そのことを証明する多くの古書があり、平安時代には清少納言の「枕草子」や多くの和歌、鎌倉時代には吾妻鏡、江戸時代には十返舎一九の「東海道中膝栗毛」などに‟願い事が叶う神社“として登場しています 

  明治以降は県社(旧制度の神社の社格の一種で、官・国幣社より下、郷社より上で、県から奉幣した神社)に列し、単に八幡神社と名乗りました。第二次大戦後に「ことのまま」の名を復活させ、現在の事任八幡宮となっています。 

この神社、お参りのやり方が少し変わっていて、事任八幡宮で参拝を済ませてから、社務所に置いてある“ふくのかみ”を1枚頂き、本宮山の神様を祀る社に伺います。  太鼓橋のすぐ奥にある旧1号線に架かる赤い歩道橋を渡り、うっそうと茂った木々に囲まれた少しきつい参道(271段の階段)を登ると、間もなく本宮に到着。 綺麗に敷き詰められた白い石が小さな社を囲んでいました。 さてお参りの方法ですが、白い石を3つ選び、社務所でもらった“ふくのかみ”を使って心を込めて綺麗にします。 1つめの石は神様のために、2つめの石はみんなのために、3つめの石は自分のために綺麗に磨くと、福を授かることができるそうです。

 境内には、拝殿、本殿の他に大きな楠木、大銀杏、大杉の御神木、金刀比羅神社、稲荷神社などがあり、1800年の歴史ある姿が感じられます。 新緑の木々たちが放出する、萌えるような濃い空気を吸いながら境内を探索していると、社で願い事をしたことがさして意味のないことなのかもしれないと思いました。それは、この事任八幡宮に参拝させてもらっていること自体がありがたいことなのだと思う気持ちが、自然に湧き上がってきたからです。

 今回の素敵なシーン、事任八幡宮は、願い事とは何か?ということを悟らせてくれた偉大なる場所なのでした!

境内には楠、銀杏、杉などの大木があり、参拝者を出迎えてくれます
社務所に置いてある〝ふくのかみ”を一枚頂いて神様を祀る社に向かいます
取材に訪れた日は梅雨の晴れ間で、木漏れ日が事任八幡宮を一層輝かせていました
1800年の歴史を重ねてきた趣ある境内
本殿の横にひっそりと佇む、樹齢1000年を超える御神木の大杉
稲荷神社の他、金比羅山神社、龍神社なども同居しています
うっそうと木々が茂った参道、271段を登る

本宮山の社には、白い綺麗な石が敷きつけられています
神様の為、次にみんなの為、そして自分の為に石を磨きます