海抜50mから眺める360度パノラマ絶景、展望台小山城~素敵なシーン・ウォッチングFIEL65
最近はドローンのおかげで、鳥の目の映像が手軽に楽しめるようになりました。しかし、それはあくまでも視覚のみの世界で、鳥になった気分を目で感じられる言わばヴァーチャルな世界です。今回の素敵なシーンは、海抜50mの天守閣展望台から涼やかな風を感じながら360度のパノラマが楽しめる、吉田町にある小山城です。
小山城は武田四天王のひとり、馬場信春によって築かれた城です。武田信玄が遠江をおさえる第一歩として砦を築いた城として知られていて、徳川家康との激しい戦いが繰り返された後、敗北を悟った武田方は自ら城に火をかけ、甲州へ落ちていったと伝えられています。現在は周囲一帯が能満寺山公園として整備されており、甲州流築城術の特徴である丸馬出し、三日月堀が史料を元に復元されています。城は、海抜50mの高さの天守閣展望台(1987年にかつて物見台があったとされる三の丸跡に犬山城天守をモデルにした模擬天守・展望台小山城)を持ち、富士山、伊豆、御前崎まで360度の心洗われるパノラマが楽しめ、春には桜のお花見が出来る場所として知られています。
天守閣にアクセスするには、展示階から細い階段を登らなければなりません。その時、どこか違和感を抱きながら階段を登っていると、どうしてこの小山城が展望台小山城なのか?謎が解けました!よく知られている天守閣は、建物の中心付近に階段が作られていることがほとんどですが、小山城の天守閣に続く階段は、ビル建設の様式で壁に沿って張り付くようにコンクリートで作られているのです。
しかし、模擬天守・展望台に到着すると、そんなことなどどうでもよくなる絶景が待っていました!(是非、「ラジオで見る静岡」YouTube版でその360度の絶景を目で確認してください。そしてこの小山城の天守閣に登ってください!)
海抜50mの展望を目の当たりにすると、今から450年前、元亀2(1571)年に築城された小山城の歴史に心が動かされました。戦国の世は、敵の来襲を気にしてきっと景色を楽しむ余裕などなかったはずです。たかが500年前、されど500年前。駿河湾を望む小山城の展望台・天守閣から望む景色は、時代の潮流を感じるには有り余るほどの迫力がありました!