潮が引くと現れる夏休みの原風景、御前崎海岸の磯遊び~素敵なシーン・ウォッチングFIEL64
晴れた日には、気晴らしに海を見に行きたいと思います。特に気温が高くなった初夏の季節には、堤防に腰を下ろしてアイス片手に水平線を眺めていると、日頃の憂さが消えていきます。潮が引いた海岸に視線を下ろすと、磯で子供たちが一生懸命に何かを捕ろうとしていました。ふと、記憶の浮かんだのは夏休みの原風景でした。
静岡県の最南端にある御前崎海岸は、駿河湾と遠州灘とを分けるように突出する海岸で、先端部分の海岸沿いには岩場が露出しています。遊びに来ていた親子ずれに話を聞くと、伊豆半島以外では静岡県で磯遊びができる海岸や岩場は少なく、この御前崎海岸は磯遊びの人気スポットとなっているそうです。
御前崎海岸を左手に見ながら県道357号線を西に進むと、御前崎ロングビーチと呼ばれる砂浜の海岸線になっていて、数々のサーフポイントがあります。また台風情報で全国区になった御前埼灯台があり、観光スポットとしても人気があります。夏は波があるとサーファーで混みますが、波が静かな日は海水浴はもちろん、絶好の磯遊び日和になります。
御前崎海岸は干潮時は岩肌が出て浅瀬になりますが、満潮時は岩場がなるほど潮が満ちます。磯をよく見ていると平らな岩場が幅広く海面から浮かび上がっているようになっていることから、磯の岩には大小の小さな穴や隙間が多くあり、タイドプールと呼ばれる磯だまりがあちこちに出現するのです。日頃、あまり気にすることにない潮だまりですが、その水中を覗くとカニやヤドカリ、小さな魚がたくさんいて、驚くことに子供たちはタコも捕まえていました。
いくつになっても海に行くと、なぜかテンションが上がります。考えてみると夏休みの一番の想い出は、海の行くことでした。記憶には全くありませんが、色褪せた写真の中には、磯で潮だまりを覗く幼い頃の自分がいました。
干潮時に岩肌が数百メートルも露出する御前崎海岸。海の営みが作り出した自然の絶景ですが、それ以上に印象的だったのは、‟お父さんと磯だまりに網を突っ込む子供たち“でした。
今回の素敵なシーンは、潮が引くと現れる夏休みの原風景‟御前崎海岸の磯遊び“です!