ブドウ界の女王、エデンの園のシャインマスカット～素敵なシーン・ウォッチングFIEL78

夏から秋は様々な果物の最盛期となります。6月のサクランボから始まり、スイカ、メロン、もも、なし、そしてブドウ。どれもが甘く瑞々しさに溢れていて、私たちの食に彩を与えてくれる正しく‟自然界から贈られたスウィーツ”なのです！

そんな中で一際は目を引くフルーツがブドウの女王と呼ばれるマスカット。ちなみに王様は巨峰です。そんなブドウの中でもここ最近、高級フルーツとしてポジションを獲得しているのがシャインマスカットです。

今回、シャインマスカットの取材でお邪魔させてもらったのは、牧之原市にある園主、平幹也さんが営むタイラファーム。ブドウだけでなく、みかんを始め様々な果物と野菜を手掛ける大規模農園。

「シャンマスカットは10年ほど前から栽培を始め、5年前から出荷が出来る状況になりました」と大らかな人懐っこい笑顔が印象的な幹也さんは、シャインマスカットの栽培を独学で習得。「最初は実がならなかったり、虫が付いたりして大変でしたが、YouTubeを参考にして今ではまあまあ納得できる形と味になりました！」と冗談交じりに苦労話を聴かせてくれるナイス・ガイ。

シャインマスカットは「安芸津（あきつ）21号」と「白南（はくなん）」をかけ合わせて育成されたイエローグリーンの大粒ブドウ品種です。独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所が開発し、国内で2006年に品種登録されました。ヨーロッパ系ブドウの代表種とアメリカ系ブドウ種の代表種を掛け合わせ、お互いの長所を兼ね備えた新品種なのです。美しい黄緑色したシャインマスカットは上品なマスカット特有の香りを持ち、大きな楕円形の粒は巨峰などと比べて実は硬くしまりがあり、糖度は20度前後と高く酸味は少なめです。一番の魅力は、果皮が薄く皮ごとパクっと食べられる手軽さも人気なのです。幹也さんがお勧めするシャインマスカットのチョイスは、「甘めの濃い味が好きな人は、黄緑よりも黄色っぽいものを選ぶと良いです。糖度が高くてしっかりとした味わいと甘さが楽しめます」とブドウ狩りの際は、房の形もですが、色にも注意を払ってほしいとアドバイスをいただきました。

ブドウはそのまま食べられますが、干してドライフルーツにしたり、ワインの原料として幅広い用途で使用されています。ブドウには生活習慣病の予防にも有効なポリフェノールが沢山含まれています。特に皮や種の部分に多く、ガンや動脈硬化の予防に効果があるといわれています。また脂質より早く分解吸収される為、即効性の疲労回復効果が期待できるなどブドウには様々な魅力が備わっていますが、今回注目したいポイントは、タイラファームだから感じたシャインマスカットの圧倒的な美の迫力です！

通常のブドウ園では考えられないくらいに、枝に数珠なり成っている房の迫力！しかもどの房も美しく宝石の様に輝いていました。聴けば、ブドウ狩りの開始が発表されるとあっという間に予約が埋まり、時には渋滞が起こるほどに賑わうタイラファームのブドウ園。

今回の素敵なシーンは、味はもちろんですが、僕がもしゴッホなら絵を書くときには間違いなく題材にするであろう、迫力と輝きに満ちた‟タイラファームのシャインマスカット”です。

タイラファームのブドウ狩りは7月～9月（来年をお楽しみに）

タイラファームHP http://taira-farm.com/