海の事故ゼロを目指す、ビーチのポセイドン、ライフセーバーの日常に感動~素敵なシーン・ウォッチングFIEL72

海に囲まれた日本。泳ぐ、泳がないにかかわらず、海が好きな人は少なくないはずです。遠い記憶になりますが、幼い頃の夏休み、連れて行ってもらいたかった所No.1は海水浴でした。しかし、その海は楽しいだけでなく、危険も孕んでいることも忘れてはならない事実です。

 夏休みのプールで、監視台からおぼれる人がいないか見張ってくれている監視員のお兄さんやお姉さんは子供の頃の憧れの存在でした。子供から見てもどことなく逞しく、何より頼りになって優しい。でもその存在の真の大切さを知るのはずいぶん経ってからでした。

 ライフセーバーとは、海やプールなど水辺の事故を防ぐ為に監視や指導、事故が起こった際にはいち早く救助に向かう水辺のヒーローです。彼ら彼女たちは、必要に応じて人工呼吸や心臓マッサージなどの心肺蘇生をする必要があるので、人の命を守るための十分な知識とスキルが求められるプロフェッショナルでもあるのです。

 今回の素敵なシーンは、牧之原市・相良サンビーチで海水浴客の監視を行うサーフ・ライフセーバー達です。海におけるライフセービングは、特にサーフ・ライフセービングと呼ばれ、主にオーストラリアで発展してきました。ライフセービング(サーフ・ライフセービング)は、サーフ・ライフセービング技術(海流、波や津波、潮汐や高潮、危険な海洋生物など海洋に適した技術や知識)を競うことから派生したスポーツで、ボランティアとしてライフセービング活動を行う者をライフセーバー(命を救う者)、狭義ではライフセーバー資格を持つ者のみをライフセーバーと呼びます。

 今回、取材させてもらったのは、相良サーフ・ライフセービング・クラブ(クラブ代表:福島稔さん)の面々で、陽に焼けた爽やかな若人たちは一緒にいるだけで心が洗われる、笑顔がまぶしいライフセーバー達でした。彼らは朝6時にビーチに集合して朝礼前、ビーチの見回りと監視台などの設営後、朝練と称するトレーニングを約1時間行い、監視パトロール業務を午後5時まで行います。話を聞かせてくれたのは、東海大学海洋学部所属の相良で3年目の夏を迎えたチーフの深美正聡さん。活動を始めた動機を「中高で水泳をやっていたのですが、大学に入った時にライフセービング・クラブがあって、‟良い活動をしているな“と感心して自分もしてみたいと思ったことと、海に来たお客さんを笑顔にして帰したいなということがきっかけです」と笑顔で答えてくれました。(インタビューの詳細は「ラジオで見る静岡」のYouTubeチャンネルで是非視聴してください)

 昨年からの海岸は、例年と比べて‟静かな海“になっています。加えて異常気象での猛暑日や豪雨や台風と年々、環境の悪化が叫ばれています。それでも私たちはこの海が好きです。だからこそ、様々な角度から海の事を始め自然環境や地球といった私たちの住んでいる星の事をもう少し深く考えなければならない時が来ているのだと感じます!

相良サーフライフセービングクラブの勇姿たち
朝6時にビーチに集合して一日の活動が始まる
海に入る前に念入りに身体をほぐす
鍛えられたパワフルな身体こそがライフセーバーの証拠
レスキューのサーフボードも軽々持ち上げてビーチを駆ける
波が高くとも恐れることなく救助に向かう
迅速な連係プレイで救助者を海から引き上げる訓練を日々繰り返し行う
ビーチに上がると先輩が救助についてのレクチャーを後輩に行う
朝練が終わり朝礼の後、今日の監視活動がいよいよスタートします
朝7時、海水客にインフォメーションを放送して監視活動がスタート
今回取材でお世話になった相良サーフライフセービングクラブ、チーフの深美正聡さん!カッコイイです!