霊峰の伏流水で作られる御殿場高原ビール! 素敵なシーンウォッチング FILE 52

凍らせたグラスを出して琥珀の液体を注ぐ、至福の儀式。誰にも邪魔されず、すべてを無にして身を委ねるその聖水こそ、今回の主役、ビールです。

お風呂上がりの一杯や仕事終わりの一杯。はたまた宴のスタート、勝利の祝杯など、私たちのあらゆるシーンに登場する生活必需品といっても過言でないビール。

僕が初めてビールの味を知ったのは、まだ小学校の低学年の頃でした。父が晩酌をする時にビールを飲むので、グラスに注いだ泡を見て「泡だけ舐めさせて」とねだったことを思い出します。その時の味は今でも覚えていて、とにかく強烈に苦かったのでまずいという鮮明な記憶があります。それから、ビールの味を再確認したのは成人式が終わり、友人たち数人と居酒屋へ行った時です。みんなビールをオーダーするのでしょうがなく同じものを頼みましたが、然しておいしく感じる事はありませんでした。それは、今思えばビールの本当のおいしさを知らなかったからなのです。

時が経ち、社会人になって飲みに行く回数も増えると、舌が肥えたというのか何時しかビールの味も分かるようになりました。晩酌でビールを飲むことが増えて、ビールに開眼したというか、色々なメーカーのいろんなタイプのビールを飲み比べました。また、お店選びも料理よりもビールの銘柄で選んだりすることもあり、美味しいビールへの拘りはどんどん増していったのです。

さて、前置きが長く成りましたが、今回の素敵なシーンは、‟御殿場高原ビール“です。複合リゾート施設、御殿場高原時之栖内に1995年に設立された御殿場高原ビールは、醸造量年間約400キロリットルで、地ビールメーカーとしては日本最大級の規模を誇っています。さらに魅力的なのは、醸造所に併設されたレストランでビールを楽しむことができる、ブルワリーレストランがあることです。

地ビールレストラン・グランテーブルを入ると広大なスペースの客席に驚きますが、その前にビール好きには否が応でも盛り上がる、ブルワリーの象徴といえる浅黄色に光る銅製の釜が2つ見えます。レストランに隣接したビール醸造システムがガラス越しに見えるようになっていてビールを製造する工程の一部が見える仕組みになっているのです。そこには、ビールの原料となる麦とホップと酵母と水が用意されているのですが、ビール作りの最重要ポイントとなる水は、霊峰・富士の伏流水が使われているのです。

この醸造所で作られるビールは、仕込みから発酵、熟成、ろ過などの工程を経て、ピルス、シュバルツ、ヴァイツェンなど異なる種類のビールがおよそ30日で完成します。お話を伺った醸造長の鮎澤 昌史さんは、自身のビール好きが高じて、飲む側から造る側へ人生をコンバートして夢を叶えた人で、1995年の開業以来ビールの本場ドイツから招いたブラウマイスターのもとで始まったビールづくりを継承する、拘り人でもあるのです。

ビールの魅力はたくさんあって人それぞれに違います。ある人は喉を潤す水代わりに、ある人は食前酒として、またある人は仕事終わりの区切りとして、大事な宴会で挨拶代わりの御返杯用酒としてなど、日常からお祝いの席までビールはあらゆるシーンに登場します。拘りが生きるお酒でありながらラフな扱いが出来る万能のお酒でもあるのです。

ビールが美味しく飲めることは幸せです。では、美味しいビールとは何でしょうか。それは、作られたビール自体のクォリティーに委ねられますが、飲む側のスタンスにも大きく影響されます。究極な言い方をすれば、自分に合ったスタイルのビールがあれば良いわけです。ですが、オーダーメイドのスーツの様にそう簡単には自分にぴったりのものは作れません。しかし、1994年4月に行われた酒税法改正でその定義は大きく変わり、年間最低製造数量がそれまでの2000キロリットル(大びん換算で約316万本)から60キロリットル(同 約9万5千本)に大きく引き下げられました。この法改正により、小規模な事業者もビールを製造することが可能になったわけです。そして全国各地に少量生産のいわゆる‟地ビール“が続々と誕生したのです。

御殿場高原ビールでは、定番ビール5種に加えて、季節限定のビールを加えた計6種類の製造したての生ビールを楽しめます。徹底管理されたビール・サーバーで、グラスにきめ細かな泡がふっくらと乗った、まさにビール界の大谷翔平か大坂なおみかというワールド・クラスのインパクトです。

御殿場高原・時之栖のアトラクションや温泉で癒された後、この御殿場高原ビールでもう一枚深い癒しを感じる。正に至福の栖ではないでしょうか!

今回の素敵なシーンは、ワンダーランドの命の水、御殿場高原ビールです。

御殿場高原ビールの醸造所併設のレストラン「グランテーブル」
店内はイルミネーションで飾られとても華やかな雰囲気
沢山のビアサーバーからは黄金色の液体が注がれる
御殿場高原ビールでは基本となる5種類のビールと季節限定のビールを用意している
御殿場高原ビール 醸造長 鮎澤昌史さん
醸造所をご案内いただきました。
ビールの原料となるモルト
レストラン内から見ることができる銅製の大釜
ここに砕いて細かくしたモルトをお湯で煮て、糖分を抽出、麦汁を作る
麦汁を酵母と合わせ発酵・熟成させ、ビールが完成する
レストランだけでなく缶でも販売している
ビールの製造の現場を見ることでより一層美味しく飲むことができる

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