DESSERT MUSIC #38

「Rainy Days And Mondays 」Carpenters  (12/21 オンエア)

目覚まし時計の電子音が遠くから、やがて耳元に迫ってくる月曜の朝。‟今日は休んじゃえ!“と悪魔のささやきが聴こえてくる。しばしの葛藤の時を経て、スヌーズに設定している目覚ましが再び現実を知らせるように警告音でラップを刻む。しようがない、覚悟を決めてベッドからやっとの思いで立ち上がった。窓の外は雪交じりの雨…

「レイニーデイズ&マンデーズ」(邦題:雨の日と月曜日は)は、1974年にリリースされたカーペンターズの、3rdアルバム「カーペンター」に収録されている、雨の日と月曜日の憂鬱を歌ったナンバー。この曲は、ポップス界に名を残す2人のソングライターチーム、ポール・ウィリアムズとロジャー・ニコルスによって書かれた楽曲で、カーペンターズの「愛のプレリュード」「愛は夢の中に」、スリー・ドック・ナイトの「アウト・イン・ザ・カントリー」などのヒット曲と並び、全米チャート2位にランクインしています。

冒頭、♪独り言を呟いて年をとったと感じるの 時々すべてを投げ出したくなる、何一つ上手くいってないみたい~といきなりネガティブな歌詞で始まり、♪不機嫌な顔して雨の日と月曜は、いつも気が滅入る~と締め括られます。これは、程度こそあれ誰にでも共通する想いで、時代を反映したというよりも普遍的な人の感情が織り込まれている点がヒットとした要因だと感じます。

実は、今回のデザート・ミュージックを選んでくださったのはジェードの飼い主の永田さんで、偶然お会いした相良ビーチで交わした会話の中で出てきた楽曲です。「子供たちは月曜日に体調を壊したり、気分が悪くなって学校を休みがちになります。それは大人でも同じですよね」とそういった気持ちがあってこの「雨の日と月曜日は」をチョイスしたそうです。

僕はこの曲が決まるまでは、同じく月曜日の憂鬱を歌ったバングルズの「マニック・マンデー」が頭に浮かんでいましたが、ナイーブな歌詞の作り込みは「雨の日と月曜日は」に軍配が上がると思いました。実は永田さん、レコード会社におられて音楽には精通されていらっしゃる経歴の持ち主で、お話を進めるうちに共通の知人が何人も話に上がり、浅くはない縁を感じた次第です。

音楽の魅力は、年齢、時代を超えて共感ができることで、好きな曲や好きな音楽ジャンル、またアーティストから聴く人の人となりが伺い知れます。偶然の出会いで生まれたほんわか暖かい空気感。寒くなっていくこれからの季節に、永田さんの持つ優しさが現われた選曲がじんわり心に浸みてきました。