DESSERT MUSIC #18

「Knockin’ On Heaven’s Door」Pete Carr (8/ 3 オンエア)

アラバマにあった伝説のスタジオ“FAME”のハウス・バンド・ギタリストとしてマッスル・ショールズ・リズム・セクションの一役を担ったピート・カー。 ジョー・コッカー、ボブ・シーガー、ステイプル・シンガーズ、ウィルソン・ピケット、ジョーン・バエズ、ボズ・スキャッグス、ポール・サイモン、ロッド・スチュワート等数多くのシンガーのバックを務めました。 

素敵なシーン・ファイルナンバー5、寸又狭温泉・前編の「夢の吊り橋」でのデザート・ミュージックで、レニー・ルブランと組んだルブラン&カーで「フォーリン」を紹介させてもらいましたが、今回はピート・カー、ソロでの名盤中の名盤「マルティプル・フラッシュ」から「ノッキン・オン・ヘブンス・ドア」(天国への扉)をチョイスしました!

ボブ・ディランの「天国への扉」は、エリック・クラプトンをはじめ、グレイトフル・デッド、ボン・ジョヴィ、アヴリル・ラヴィーン、エアロスミス、アレサ・フランクリン、ランディ・クロフォード、U2、ブライアン・フェリー、ブルース・スプリングスティーン、ボブ・マーリーなどたくさんのアーティストがカバーする名曲ですが、僕とってはピート・カーのナンバーが一番なのです。それは楽曲を聴いてもらえば一発で分かる最高のギタープレイが聴けるからです!

ポール・サイモンの「僕のコダクローム」、ロッド・スチュワートの「トゥナイツ・ザ・ナイト」「セイリング」などビッグ・ヒットでインパクトあるギター・フレーズを弾き、ミュージシャンの間で絶大な支持を得るピート・カー。マッスル・ショールズ・リズム・セクションのリード・ギタリストとして、またソングライター&プロデューサーでもあった不世出のギタリストは残念なことに今年(2020年)6月27日、70歳でその生涯に幕を下ろしました。

 今回のデザート・ミュージックは、ピート・カーの歩んだ孤高の道が、小笠山の山頂近くに建立された小笠神社の歴史とリンクしたからで、辺鄙な秘境に続く参道を歩いているとえもしれぬパワーを感じた事を報告したいと思います。