素敵なシーンウォッチング FILE14 〜まるでシークレット・ビーチ?!屏風岩!!〜
裾野市に流れる黄瀬川の支流佐野川にあり、集塊岩や溶岩流が浸食された奇景に富む景ヶ島渓谷。その末端に密かに佇む柱状節理(ちゅうじょうせつり)と呼ばれる不思議な六角形の溶岩壁が、今回の素敵なシーンです。
(節理とは、岩体に発達した規則性のある割れ目のうち、両側にずれの見られないものをいう。マグマが冷却固結する際や地殻変動の際に生じ、なお、割れ目の両側にずれが見られる場合は断層になる)
佐野川沿いの道から渓谷に降りる小道を20メートル下り、流石がゴロゴロ横たわる歩きにくい河原を進んで行くと、信じられないような美しい光景が飛び込んできます!玄武岩溶岩流である裾野溶岩を600メートルに渡り寝食してできた景ヶ島渓谷に、小さな滝が渓流を生んで出来上がった奇跡の光景!一見すると南の島のシークレット・ビーチのような風景が、突如として出現します。
全長8kmに渡って4万本もの石柱が並ぶ北アイルランドのコーズウェイ海岸にあるジャイアンツ・コーズウェイやアイスランド南東部、スカフタフェットル国立公園で見られるマグマが噴出したのち、垂れ落ちる最中に氷河の冷気で固まったパイプオルガンのような姿のスヴァルティフォスの滝には敵いませんが、身近な秘境と言える裾野市の屏風岩もなかなかの絶景です!
末端の谷壁に高さ十数メートル、幅五十メートル、滝壺から十メートルの範囲で露出している見事な柱状節理。これは溶岩の中心部が冷却に伴って収縮し、垂直に割れ目がはいったもので、六角形の柱が何百本と谷壁を作りました。その後、浸食により谷壁状に露出し、岩肌を直接観察できるようになり、静岡県を代表する火山活動の地質・鉱物学的な価値のある標本と言われる様になったのです。