‟今でしょ”と富士山が言った!~誰もが手軽にゾーンに入れる富士山御殿場口新五合目~素敵なシーンウォッチング117

富士山の五合目から頂の方角を見て、胸いっぱいに深呼吸すると、身体から邪気が目に見えるように吐き出されて行きます。今度は逆に、頂がまだ白い富士を背にして、眼下に広がる新緑の裾野の風景を眺めていると、富士の力によって自分が風景に溶け込んで浄化されて行くような‟ゾーン”に入り込みます。

普通‟ゾーンに入る”と言われる状態は、精神が集中した時に起きる現象だと言われていますが、心身が解き放たれた時にもその状態は訪れ、至福の境地に浸れる瞬間でもあるのです。

そんな富士山でゾーンに入れる至福のベストシーズンはいつなのか?それは一年で1番快適な梅雨に入る前の五月晴れの頃!!「今が最高のシーズンだ!」と富士山御殿場口新五合目に車を走らせました。

あれから3週間が経ち、今は梅雨の時期で、気温も湿度も皐月の頃とは違って、ずいぶんと不快指数は上昇しています。低い雨雲が垂れ込んだ6月の富士山は「残念ですが来年の皐月の頃、また是非起こしください」と申されておられました!

さて、富士山御殿場口新五合目の魅力ですが、富士登山期間中もマイカーでアクセスできる唯一の五合目が富士山御殿場口新五合目なのです。他のルート、富士スバルライン(吉田ルート)のマイカー規制は7月15日(金)18時~8月31日(水)18時まで、ふじあざみライン(須走ルート)のマイカー規制は7月15日(金)正午~8月31日(水)正午までで、富士山スカイライン(富士宮ルート)のマイカー規制は7月9日(土)18時~9月10日(土)18時です。(2021年の情報)しかし静岡県道152号線富士公園太郎坊線(ふじこうえんたろうぼうせん:表富士周遊道路(富士山スカイライン)を構成する3つの静岡県道のうちの1つで、日本一標高が高い地点を通る一般県道)の御殿場口新五合目(御殿場ルート)は夏の登山期間中もマイカー規制がないため、車で気軽にアクセスできるおすすめの観光スポットなのです。

これまで‟ラジオで見る静岡”の取材で静岡をくまなく探索し早3年!疲れ果てて行き倒れになりそうな時も、大雪でまつ毛も凍える極寒の取材でも、はたまた日本一の最高気温を観測した日の舘山寺でも、常に僕たち‟素敵なシーンウォッチャーズ”を遠くから見守り、支えてくれる暖かく大きな存在、霊峰・富士。これまで幾度となく、その雄姿を目に焼き付けてきたことでしょうか。しかし、これまでなぜかその姿を拝むばかりで、一度たりとも霊峰に足を踏み入れたことはなかったのですが、今回、初めて御神体の中腹に参らせていただきました。

御殿場ルートで実際に登山される方たちは、この新五合目に車を止めて宝永山(ほうえいざん)を目指します。シーンウォッチャーズ、富士山に参ったと申しておりますが、実は御殿場口新五合目から数分しか登山しておりません。駐車場から標高2,693mの宝永山を目指し山道に入るといきなり砂利道。砂利で足が沈み込むので、普段の登山よりなかり体力を消耗します。また標高の高さ故か空気が薄く感じられ、身体の動きが鈍くなっていくのが顕著に感じます。今回の取材は富士登山でなく、あくまでも‟富士山御殿場口新五合目”の取材ということで、登山する装備や靴も用意していなかったのです。

この御殿場ルート、夏のシーズンは大人気となる富士山ですが、混雑を避け静かな登山を楽しみたいのであれば、この御殿場口からのアクセスが最良だとか。車で御殿場口新五合目までの所要時間は、新東名御殿場インターチェンジからおよそ40分。他の登山口へのアクセス道路に比べ、距離も短く傾斜も緩やかなので運転に自信がない方でも不安なく到着できます。また五合目までの道は空いていることが多く、駐車場は3カ所に分かれて収容台数は約500台と多いことからピーク時でも空いているケースが多く、登山道の混雑もまずないそうです。

ただし、この‟御殿場口新五合目”は、登山口の標高が1,440mと吉田ルートや富士宮ルートに比べて約千メートルも低く、山頂までの高度差があるため体力的にはかなりハードで、また途中、山小屋も少ないので、しっかりとした装備で臨む必要がある、謂わば、初心者むきではない登山ルートだということです。

今回の素敵なシーンは、車でお手軽に、霊峰富士を間近に見てゾーンに入ることが出来る‟富士山御殿場口新五合目”です。

パワースポットだということが体感できる、素晴らし過ぎる場所です
静岡県道152号線富士公園太郎坊線で新五合目に向かいます
現在地の標高は1300メートル
新緑の空気が心地よく気分爽快です!
駐車場は広く、全体で500台収容可能、しかも無料!
御殿場口ルートはこの鳥居(1440m)から始まります
令和2年、土壌微生物膜浄化槽を導入した公衆トイレが完成
霊峰・富士の頂が目の前に迫ります
富士を背にして眼下に広がる裾野の風景は、太古のままでした

宿泊した時之栖から俯瞰で見る富士山
最初の日は雲がかかり、頂は見えませんでした…そして再度チャレンジ