DESSERT MUSIC #11

「Pressing On」Alicia Keys (6/ 15オンエア)

1960年代から90年代までアメリカ・アラバマにあった伝説のレコーディング・スタジオ「マッスル・ショールズ」のドキュメンタリー映画『黄金のメロディ』。

物語の舞台は、アラバマ州テネシー川のほとりにあるマッスル・ショールズ。人口8000人の小さな町にあるフェイム・スタジオとマッスル・ショールズ・スタジオの2つのスタジオからは、歴史に残る重要な名曲が生み出されていました。また、マッスル・ショールズは、政治や地理的な影響を受けずに創造性豊かな音楽活動ができる場所であり、白人・黒人という肌の色に関係なくミュージシャンが才能を発揮できた場所でもあったのです。

そんな環境でスワンプ・ミュージックは生まれ育まれて行き、やがてアメリカ、そしてワールドクラスのヒットを生んで行くことになります。

見る立場によって重要なポイントは様々ですが、アメリカの片田舎のスタジオから世界的ヒットが生まれ、やがてそれが伝説にまで上り詰めていく過程で起こる様々なドラマ。音楽が今よりも人々に与える影響が大きかった当時に、優れたサウンド・ワークが生み出された背景が興味深く、またそこに存在したスタジオ・ミュージシャンの生き様に感動します。

選曲の理由は、このドキュメント映画を製作するにあたり当時活躍した老兵のスタジオ・ミュージシャンをたたき起こして集め、新たにレコーディングを行った曲がこのアリシア・キーズの「プレッシング・オン」だからです。『黄金のメロディ』は、リック・ホールというスタジオの創設者を中心としたドキュメンタリー映画で、彼の音楽への執念が描かれています。「プレッシング・オン」とは断行するという意味で、困難や反対を押しきって強い態度で実行することを言います。

お茶業界も決して順風満帆ではありません。伝統に支えられながらも新しいシーンを創造していかないと未来は見えません。

今回取材させていただいたカネ十農園の若き代表、渡辺さんのチャレンジにこの曲がインスピレーションされました!