潮風が誘う浜岡砂丘白砂公園の河津桜~素敵なシーンウォッチング102

日本を代表する花、桜。卒業式~入学式の時期に咲くことから、旅立ちの時を彩る花として、私たちの心に常に寄り添っています。今年こそは大手を振ってお花見が出来ると思っていましたが、コロナの影響が長引いて残念ながらお花見イベントや宴会は中止せざるお得ない状況です。しかし、桜は今年もしっかりと私たちに美しい姿を見せてくれます。

さて今回の素敵なシーンですが、今年、最初の桜の便りということで、浜岡砂丘白砂公園の河津桜を見に行ってきました。

サクラはバラ科、サクラ亜科、サクラ属の落葉高木または低木の樹木で、日本にはヤマザクラ、オオシマザクラなど9種を基本にして、変種をあわせると100以上のサクラが自生しており、沖縄には野生化したカンヒザクラがあります。桜好きの日本人は約100種の自生種を研究し、それらを古くから開発して造られた歴史があります。知られているだけでも栽培品種が200種以上、そして分類によっては最大で600種存在すると言われており、世界でも圧倒的に多種多様な栽培品種を開発してきた歴史があるのです。

そんな桜の中でも早咲きの桜の代名詞にまでなった河津桜。ソメイヨシノなど一般的な桜よりも早い1月から3月上旬にかけて早咲きします。実はこの河津桜、戦後発見された桜で、日本各地で見られるものではないのです。河津桜の歴史、そして由来ですが、昭和三十年(1955)、河津桜の原木が河津川河川敷で発見されました。発見したのは静岡県賀茂郡河津町に住む飯田勝美さんという方で、河津川沿いの雑草の中から桜の苗を偶然見つけたそうです。発見当初は発見者の使用していた屋号にちなんで‟小峰桜”と呼ばれていましたが、その後、今までになかった園芸品種と判明。昭和四十年(1974)に「河津桜」と命名されたのが由来なのです。

浜岡砂丘の入り口にある太平洋岸自転車道沿いに咲く約230本の河津桜。遠州灘から吹き込んでくる潮風に揺れる桜並木は、東西に約600メートル。浜岡砂丘白砂公園の河津桜は背丈が高くなく、見上げずに目の前で咲いているので、記念写真に持ってこいのシチュエーションです。淡いピンク色のソメイヨシノとは様相が違い、陽が良く当たることもあり濃い鮮やかなピンク色で、一見すると造花と見間違えるくらい整った容姿をしていました。

取材日、お花見には少し寒さは感じられましたが、陽ざしも差し込み浜風も穏やかで5分咲きの河津桜が春の到来を遠慮ぎみに教えてくれていました。それでも、お花見を待ち焦がれた人たちで駐車場は満杯。家族やカップル、親子連れで写真と撮る人などで賑わっていました。

河津桜の開花の時期は年によってまちまちで、早い年だと正月から咲き始め、遅い年だと2月半ばになってようやく開花するということもあるそうですが、今年は冬が長く寒かったこともあり、開花は例年よりもかなり遅くなっています。

河津桜は、静岡県賀茂郡河津町の木と認定されており、発見された当時の原木が今も残っています。またこの原木から河津桜を増殖するようになり、現在では河津町の他に南伊豆でも植栽されるようになったそうです。

今回の素敵なシーンは、静岡を代表する春先取りの桜、‟浜岡砂丘白砂公園の河津桜”です。

PS 残念なから新型コロナ感染防止対策の為、2022年の「浜岡砂丘さくら祭り」は中止となりました。

https://www.city.omaezaki.shizuoka.jp/soshiki/shokokanko/kankospot/hamaokasakura.htm

静岡・浜岡砂丘に春が訪れました!
咲き誇る河津桜は濃く色鮮やかです
♪春よ来い、早く来い、歩き始めたみいちゃんが…春が来ました!
親子連れからカップルまで、桜をそして春を感じに訪れます
公園入口から600mの桜並木が楽しめます
今年は冬が長く寒さも厳しかったせいで開花が遅れていました
優しさの中につつましやかな主張がある河津桜
日頃は散歩する人くらいの遊歩道ですが、このシーズンだけは大賑わいとなります
目の前で桜が香る贅沢な通り抜けです