空中散歩で秋を楽しむ日本平ロープウェイ~素敵なシーン・ウォッチングFIEL84

前回の素敵なシーン・ウォッチングでお送りした久能山編は、歩いて参拝させていただきましたが、今回は日本平ロープウェイで久能山の山頂に赴きました。それは、このロープウェイに是非のりたかったからなのです!

日本平ロープウェイは、日本観光地百選コンクールで1位に選ばれたこともある名勝地“日本平”の山頂と静岡県内で唯一の国宝建造物がある徳川家康ゆかりの史跡‟久能山東照宮”を5分間で結んでいる索道です。この日本平ロープウェイが完成したのは1957年5月31日で、今年で64年!久能山東照宮は久能山の山頂付近に建てられていて、参拝に行くのは北側からこのロープウェイに乗って行くか、南側から1159段の石段を登って行くかの二者択一なのです。

日本平ロープウェイの2台のゴンドラは、令和元年の12月にリニューアルしたばかりで、あおい号とたちばな号の2台のゴンドラで運行されています。加えて現在、開業50周年を記念して、あおい号が殿様の駕籠、たちばな号がお姫様の駕籠のラッピングが施されていて、お殿様・お姫様気分が楽しめる?心遣いがなされているのです。

久能山の南面は急崖となっていて駿河湾に接し、北方は屏風岩があり、東西両面は峽谷深く反り立つようになっていて平野に孤立した山が隆起して生まれました。戦国時代、武田信玄に“久能寺は要害である”と言わしめ、地理的条件が生んだ難攻不落の“久能城”を作らせたのか、この山の構造を俯瞰で見たかったのがこのロープウェイに乗りたかった理由です。

日本平ロープウェイでの空中散歩は、色づき出した紅葉や絶壁の崖、少し目を上げれば駿河湾、伊豆半島も眺められ、壮大な景色を満喫しながら久能山駅にわずか5分で到着します。大パノラマの絶景は歩いて参道を行く場合とロープウェイとでは景色はかなり違います。ただ、大半の人は行きも帰りもロープウェイを選ばれています。それは、ロープウェイ乗り場に駐車場があるので、最も手軽に参拝が出来るからなのです。

僕たち素敵なシーン・ウォッチャーズは取材という事を踏まえてこの地を訪れたので、まず昔からの習わしに従い参道を歩き久能山東照宮に参りました。それから久能山をより知りたくて50年前に作られた文明の利器、日本平ロープウェイに乗って久能山の絶景を見たのです。

この大パノラマの景観を堪能していると、この景色をいつまでも見ていたいと誰しも感じる事でしょう。ましてや天下統一した徳川家康なら、この地になんらかの軌跡を残したいと思うのは当然なことだと想像がつきます。

緊急事態宣言が解除され、日常が戻り始めた2021年の秋に、季節と展望と歴史が堪能できる静岡屈指のメジャースポット、日本平と久能山東照宮に探索に出かける。コロナ禍以前なら当たり前の様に楽しんでいた秋の行楽を、今改めてじっくりと噛みしめています。心なしか山並みの紅葉がいつもより濃く感じられるのは、季節のせいだけでもないのかもしれません。

空中散歩が楽しめる文明の利器、日本平ロープウェイ
リニューアルされたお殿様カラーのあおい号
取材時は行楽日和の晴天
色づき出した久能山の紅葉
家康公が愛した風景を一段高いところから望む
渓谷は意外と切り立っていて、難攻不落の久能城だったことが偲ばれます
お姫様の駕籠をイメージした装飾のたちばな号
駐車場から見上げた日本平デジタルタワー
日本平ロープウェイ・門前の恵 たいらぎでは展望と食事が楽しめる
夢テラス内にあるみかんジュースが出る蛇口
夢テラスから見た駿河湾