太陽の誕生が美しい、秋葉山本宮秋葉神社上社 素敵なシーンウォッチング FILE43

朝起きて朝日を浴びると、何処からともなく元気が湧いてきます。それは、闇夜の世界の負を打ち消すパワーが朝日にはあるからでしょう。今回の素敵なシーンは、静岡最強のパワースポットで最高の日の出と出会いました!

正直、昨年から気が晴れることがありません。それは体調がすぐれないとかラッキーなことがないとか、はたまた厄年とかじゃなくて、すべては新型コロナ・ウィルスが引き起こしている世界規模のウィルスとの戦争の為です。この戦いに世界中でどれだけの人々が人生を狂わせられているのか、計り知れないものがあります。しかし、こんな時代だからと嘆いてばかりいては始まりません。今一番大切なことは、気持ちをしっかり持って前を向くことだと思います。そんな気持ちを生みだし育んでくれる場所に行ってきました。

秋葉山本宮秋葉神社上社。浜松市天竜区春野町領家の赤石山脈の南端に位置する標高866mの霊山・秋葉山の山頂にある全国の秋葉神社の総本宮で、南東麓には秋葉山本宮秋葉神社下社があります。

朝日を拝むために、拠点としている牧之原・相良を午前3時半に出発しておよそ2時間。天竜川を遡り途中から支流となる気田川沿いを進んでいくと、下社に続く塩の道と言われる秋葉街道になります。この秋葉街道は、古くは遠信古道と呼ばれ、相良から遠山地方を経て諏訪湖に続いている街道で、戦国時代には地蔵峠で秋葉街道と杖突街道とがつながっていた関係から、武田信玄は信州攻略の際、この道を棒道(軍用道路)として活用したとも言われています。そんな古代から続く歴史のロマンに浸りながら上社がある秋葉山を目指します。

静かなたたずまいの下社から千古の大杉が鬱蒼と繁る上社へは、山の中を歩く表参道で2時間。車を使うとスーパー林道天竜線を登り約50分で到着します。

日の出前の一番暗い時間に上社に到着。もちろん一番乗りでしたが、遅めの初詣に訪れる参拝者の方が撮影準備をしていた時に来られたのには驚きました。なぜなら、この時マイナス8度。しかも風が吹いていて、涙も凍りそうなくらい激寒だったからです。

痛いくらいの寒さを頬に受けながら社務所からさらに上の本殿がある階段を登り、日の出前はまだシルエットでしか見えない“幸福の鳥居”をくぐると、山並みの向こうに目では正確に見えない水平線が薄く色づけられた墨絵の様に浮かび上がっています。その水平線の向こうには、古いトースターの電熱線がかろうじて熱を起こそうとしているかのような弱々しいオレンジ色の一本の線が佇んでいます。やがてオレンジ色の線は幅を増し、周りの紺碧の空間を焼き始めました。

午前6時。上社が闇の世界から浮上します。吹いていた風の音が太陽の光で聴こえなくなり、それまで暗くてはっきり見えなかった周りの景色が輪郭を明らかにし始めました。新しい一日が始まったのです。南を向いた本殿を背にして、太陽が左手の大杉の間から昇り始めました。階段を下りて後ろを振り向くと、金色に輝く大きな鳥居がさらに大きくなり、地球の中心がここにあるぞと言わんばかりに輝いていました。

‟すべてうまくいくぞ!“とスピリチュアルなエネルギーが身体の中まで飛び込んで来て、一瞬にして秋葉神社がこの地に建立された意味を知り、生まれ変わったような気持ちになりました。
秋葉神社の創建時期には諸説があるそうですが、上古より神体山・霊山として仰がれて来た秋葉山。社伝では和銅2年(709年)に初めて社殿が建立され、その伝承では山が鳴動し火が燃え上がったため、元明天皇より「あなたふと 秋葉の山にまし坐せる この日の本の 火防ぎの神」と御製を賜り、社殿を建立したと言われているそうです。また御祭神は、火之迦具土大神ヒノカグツチノオオミカミと呼ばれる、伊邪那岐・伊邪那美二柱の神の御子で、火の主宰神です。

マイナス8度の中、気が付くと太陽がいつものように明るい日差しを私たちに降り注いでくれていました。あっという間の太陽の誕生。秋葉神社の日の出は、太陽の存在の素晴らしさを改めて感じさせてくれた素敵なシーンでした!

ロケの様子はこちらをチェック
早朝6時の秋葉神社
日の出前の幻想的なひと時
徐々に明るくになっていき、周りの状況がわかるようになってきた
山頂の神社から徐々に白んできた空が一望できる
朝日に染まり、赤々と焼けた大きな鳥居
日が昇るにつれて黄金色になった「幸福の鳥居」

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