素敵なシーンウォッチング FILE23 女神を祀った西伊豆雲見、烏帽子山の絶景!

素敵なシーンの取材は、横に長い静岡県の津々浦々を車で決められた日程で走りまくることから、体力的にかなり疲れます。特に夏は道も渋滞し、猛暑に新型コロナの影響でかなり気を使った取材で疲労困憊です。しかし、今回は駿河湾フェリーで船旅を味わうことができ、加えて西伊豆松崎町雲見温泉に一泊したことで、一気に体力回復となったのです!

そこで今回の素敵なシーンとなるのが、西伊豆の絶景が堪能できる雲見海水浴場に寄り添う烏帽子山登山となりました。

烏帽子山は、静岡県賀茂郡松崎町雲見にある標高162mと低い山ですが、海近くから急激に隆起している為、かなりの急勾配の山です。どうしてこんな海のそばに急勾配の山ができたのか?火山の地下にはマグマの通り道があり、地殻変動などで隆起して地表に姿を現したものが火山の根で、烏帽子山は地殻変動でマグマが隆起した山なのです。そしてこの山には、雲見浅間神社があり、山自体がご神体の役割を果たしていると考えられます。

「浅間」の名がついた神社は富士山の女神・木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)を祀ることが多いですが、雲見浅間神社では姉の磐長姫命(いわながひめのみこと)を祀っています。醜女ですが長寿の徳を持つこの女神は、美人で繁栄の徳を持つ妹に嫉妬しているとされ、地元雲見では、「この山で富士山を褒めると怪我をする」などの言い伝えがあります。

この話を宿泊させてもらった民宿‟たつ家“のご主人に伺って思い起したのが、ハワイに伝わる火山の女神ペレです。ハワイの神々の中ではもっとも有名とされ、炎、稲妻、ダンス、暴力などを司るとされるペレ。美しく情熱的だが気の荒い女性で、嫉妬や怒りから人々を焼き尽くすとして畏怖の対象とされている女神です。

雲見温泉に一泊したスタッフは元気いっぱいに参道登山を開始。しかし、麓の雲見浅間神社を通過したその後、目の前に現れた急勾配の石段を見て戦意喪失!見上げると300段以上はあるだろう細かく刻まれた幅30センチの石段は、これから先のより険しくなるであろう前途を象徴しているようで、取材スタッフは無言になったのでした!

約15分で中腹にある拝殿と中の宮(女宮)に出くわします。そこからはジグザクの切り返しの山道を歩き、山頂付近にさしかかるとマグマが冷え固まった岩場となり、麓から30分ほどで山頂の直ぐ下の本殿に到着。本殿すぐ横に5mはあろうかという巨大岩があり、そこが展望台になっています。展望岩は畳一畳程度の足場があり、そこからの絶景は筆舌につくしがたいと言えるほど、雄大で神々しくありました。

ハワイのキラウエア、そしてこの烏帽子山、どちらも女神が住む場所して祭られ崇められている美しい風景が見られる場所ですが、どちらも決して気楽に登れる山ではありません。女神の微笑は、そう簡単に手に入れられないものだと改めて感じた次第です。

綺麗に整備された階段に油断させられる
石灯籠が並ぶ風情あふれる階段
こちらに倒れてきそうな程、高く長く続く階段
急な階段を一休みして下を見ると綺麗な海が広がる
山頂に近づくと、足元は岩場に
やっとの思いでたどり着いた山頂の社
その社のさらに5m上に1畳ほどの展望スペースがあった
参道入り口のそばの海水浴場がかなり小さく見える
昨日宿泊した雲見温泉街
伊豆半島の複雑な海岸線がよくわかる
登りで力を出し切って降りるに降りれない「シーンウオッチャー1号と3号」
ロケの様子はこちらをチェック

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