チャーリーならぬ‟恭平とチョコレート工場“ 素敵なシーンウォッチング FILE 50

甘くてよい香りがして誰もが魅了されるチョコレート。それ故、食べ過ぎると集中力の低下や虫歯などの原因にもなりますが、それでも人々はチョコレートに魅了され、世界中の老若男女に愛され続けています。

チョコレートは、カカオの種子を発酵・焙煎したカカオマスを主原料とし、これに砂糖、ココアバター、粉乳などを混ぜて練り固めた食品で略してチョコと言われています。

中米のマヤやアステカの時代がチョコレートの起源であると言われていますが、当時は黒胡椒やオールスパイス、唐辛子が加えられた飲み物でした。彼らのドリンク・チョコレートの原料となるカカオを発見したのが、クリストファー・コロンブスだと言われています。コロンブスは、スペイン王室の支援を受けて大航海をしていた為、発見したカカオの実をスペインのイザベル1世とその夫・フェルディナンド2世に見せるためヨーロッパに持ち込みました。それが、チョコレートがヨーロッパに広まる要因となったのです。ちなみにショコラという名称はチョコレートのフランス語で、1615年、フランス王ルイ13世がスペイン王女アナ・マリーア・マウリシアと結婚。チョコレートを好むスペイン王女アナが嫁入りの際に持参し、フランスにチョコレートがもたらされました。ロンドンで最初のチョコレートハウスが開店したのは1657年ですから、チョコレートの歴史は、イギリスよりフランスの方が先だったのですね。

さて、今回の素敵なシーンは、ノルマンディー ショコラです。御殿場高原・時之栖にあるオシャレすぎるチョコレート販売店ですが、実はカカオの焙煎から行う手作りチョコレートが味わえるチョコレート工房でもあるのです。店内には色とりどりなチョコが並ぶショーウィンドウにチョコに合うコーヒーが用意されたカフェとガラス張りの工房。驚くのは、チョコレートが滝の様に流れる世界最大級の「チョコレートファウンテン」(生クリームを加えて溶かしたチョコレートを噴水状に流す装置)が店の入り口に設置されている様です。イタリア直輸入の日本国内第一号機という由緒の凄さにも感心しますが、このチョコレートファウンテンを見て思い出したのが、僕が大好きな映画のひとつで、1964年のイギリスの小説“チョコレート工場の秘密“を基に、ティム・バートンが監督したミュージカル・ファンタジー映画「チャーリーとチョコレート工場」です。

ストーリーは、外界から隔離された巨大なチョコレート工場が舞台で、ある日、ジョニー・デップ演じるチョコレート工場の工場主ウィリー・ウォンカが、自社のチョコレートの中にゴールデンチケットを5枚封入して出荷、チケットを引き当てた子供を工場見学に招待すると発表します。チケットを引き当てたチャーリーら五人の少年少女と保護者の前で、チョコレート工場の門が開くと工場の中に広がっていたのは、ウォンカが作り上げた奇想天外な世界だったというものですが、この映画を見て気が付いたことは、子供の頃から薄々感じていたチョコレートの怪しい魅力です。

甘いものと言えばチョコレート。しかし形容詞としての「甘い」は、どちらかと言えばよい意味では使われない事が多い言葉です。考えが甘いや相手を甘く見たなど、厳しさに欠けている様を言います。また80年代にアメリカで出版された「チョコレートからヘロインまで」(第三書館)というサブカルチャー書籍がありますが、この書籍ではタイトル通りチョコレートはヘロインと同列に並んで、まるでドラッグの一種であるかのような扱われ方をしています。

正直に言いますが、僕はチョコレートが大好きです!子供の頃から現在まで、数えたことはありませんが、トラック一杯以上は食べました!お母さん、ごめんなさい!

チョコレートは健康商品で、カカオに多く含まれるポリフェノールには優れた抗酸化作用があります。肌の老化やダメージを抑制&修復するエイジングケア効果、血管を広げ血圧を下げる高血圧予防効果、血液をサラサラにする動脈硬化予防効果、血中のストレスホルモン分泌を抑える抗ストレス効果など様々な効果が期待できます。

ではなぜチョコレートには、子供から大人までを包み込む「怪しい魅力」があるのでしょうか?それは、食べると誰もがチョコレートの虜になるからです。味覚以上に、心まで支配してしまうからではないのでしょうか。

取材させてもらったノルマンディー ショコラのシェフパティシエ兼ショコラティエの横田恭平さんが作り出すチョコたちは、繊細でありながらインパクトも備えた、見てそして味わって感動する絶品です。温度や湿度、素材の状態を見極めて、数々の専用機械を駆使して製造されるチョコレート。お菓子の国のようなお店の外観・内装からは想像できない、計り知れない匠の技が凝縮されている点に心動かされました。

今回の素敵なシーンは、御殿場高原・時之栖にあるノルマンディー ショコラです。

チョコレート工房 「ノルマンディー・ショコラ」
エントランスにはイタリア製のチョコレートファウンテンがお出迎え
ちなみに国内での設置第一号とのこと
店内のショーケースには色とりどりのチョコレートが並んでいる
カフェとショップのスタッフの皆さん

以下、チョコレートの製造工程をレクチャーしていただきました!

STEP1 原料・選別
仕入れたカカオ豆からゴミと状態の良くない豆を取り除く
STEP2 焙煎
選別したカカオを焙煎する
機械の中でカラカラと音を立てて豆が踊っている
焙煎し終わったカカオ豆を割るとチョコレートの元となるカカオ・ニブが現れる
STEP3 分離
焙煎したカカオ豆を砕き、風の力で皮と実に分離する
風の力だけでよく綺麗に分離できるものだと感心した
STEP4 磨砕
STEP3の砕いたカカオをさらに細かくし、ペースト状にする
小さく砕かれただけだったカカオが細かくまとまっている
STEP5 微粒化
磨砕したペーストとさらに細かくし、きめの細かい液状にする
カカオ・ペーストに砂糖を加え、無数の鉄球でしっかりとすりつぶし、チョコレートにする
STEP5 精錬
コンチングとも言い、微粒化したチョコレートを長時間練り上げ、風味をよくする
STEP6 調温
テンパリングとも言い、チョコレートの温度管理を行うことで、カカオバターを結晶化させ、綺麗に固まりやすくする。
STEP7 充填・冷却・完成
チョコレートの最終工程、チョコレートを型に流し込み固める
砕かれたカカオ豆から艶やかなチョコレートができるとはとても想像できない
型に流し込み終えたら、振動を加え液中の気泡を取り除き、冷却する
しっかりと固まったチョコレートは簡単に型から外れた
チョコレートの完成!
ノルマンディー・ショコラ シェフショコラティエ 横田恭平さん
工房でチョコレートの製作工程をレクチャーしていただきました。

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