DESSERT MUSIC #36

「Yellow Moon」The Neville Brothers  (12/7 オンエア)

ネヴィル・ブラザーズの代表アルバムと言える1989年にリリースされたアルバム『イエロー・ムーン』は、ニューオーリンズが見せるスワンプ、ケイジャン、R&B、ファンクなどの音楽のエッセンスを巧みに入れ込んだ秀逸な傑作アルバムで、そのタイトル・チューンが「イエロー・ムーン」

U2やピーター・ガブリエル、ボブ・ディランなどのプロデュースで知られるダニエル・ラノアを起用し、ニューオーリンズらしいルーツ・ミュージックを下地にして展開されるポップス仕立てなディープ・ブラック・ミュージックは、インパクト絶大です。

テーマは、黒人社会に限らず様々な不平等社会が持つマイノリティ問題についてメッセージしていて、歌詞の内容は人権問題などブラック・クリオールの都市、ニューオーリンズが持つ様々な難題を普遍的な表現で歌っています。そして「自分たちの子どもたちの世代の黒人が、公民権運動などの黒人のおかれた過去の歴史を忘れつつある今」アメリカ合衆国が持つこの問題を「後世に伝える役目も持っている」(シリル・ネビル)と語るのです。

今回のデザート・ミュージックは、〝後世に伝えるという役目“についてスポットを当てています。それは今を生きるという意味で非常に大切なことのひとつであり、今を生きてきた世代だからこそ、忘れてはならない重要なミッションなんだと千貫提を取材させてもらって感じたのでした。

僕はいつネビィル・ブラザーズを聴いても、彼らの奏でる音楽には深い癒しがあるように感じるのです。それは一言で言えば、ブレないからです。聴く側が問題を抱え感受性が凍えている時でさえ、彼らは強烈な信念で魂の鼓動を打ち続け、放たれる波動によって聴く者を強烈に捉えて離しません。そんな強烈な音楽でありながらも、表面的には耳障りの良いスィートで優れたポップスなのです。「千貫堤・瀬戸染飯伝承館」でお会いした染飯千貫保存会の諸先輩たちは、高校生のサークルの様にほんわかしたムードの寄り合いでしたが、後世にこの地の恵みを申し送りしようとする郷土愛は、ネブィル・ブラザーズのごとく、ピュア―でブレない魂の存在がありました。

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