DESSERT MUSIC #41

ONE Three Dog Night (1/11 オンエア)

ロケをしていて楽しいことと辛いこと、悲喜こもごもですが、この「ラジオで見る静岡」においてはほとんど辛いことはありません。なぜなら、取材先を自分たちで決められるからという事が一番の理由ですが、それ以上に静岡が一年を通して温暖な気候であるということがあります。しかし、そうは言っても1月~2月のロケは取材先によっては厳しくハードな場所も存在します。特に辛いと感じるケースは、空腹で寒いという時です。そんな時、脳裏に浮かぶのが、オーストラリアの原住民であるアボリジニの風習に由来するグループ名を持つバンドです。

スリー・ドッグ・ナイト。3人のヴォーカリストと4人の演奏陣というユニークな構成のバンドで、LAで1967年に結成され翌年68年にデビュー。69年の「ワン」(Billboard Hot 100で第5位)でブレイクしたのを機に「ママ・トールド・ミー」(70年/第1位)「ジョイ・トゥ・ザ・ワールド」(71年/第1位)「オールド・ファッションド・ラヴ・ソング」(71年/第4位)「ブラック・アンド・ホワイト」(72年/第1位)「シャンバラ」(73年/第3位)「ショウ・マスト・ゴー・オン」(74年/第4位)などのヒット曲を連発します。

彼らのユニークな点は、18曲連続トップ20入りを含む、すべてトップ40入りした21曲のヒット曲がいずれも他人の作品であったことです。60年代後半にアメリカの音楽シーンを襲来したムーブメント、ブリティッシュインヴェンジョン以來、ビートルズを筆頭にポップス&ロック・シーンでは自分たちで曲を書き演奏することが当たり前となっていました。にも係わらず積極的に他人の名曲をカヴァーしてヒットを量産したことは、時代に逆行するかのような方向性でした。カヴァー曲というのは作品の良し悪しもありますが、普通ヒットした曲をリアレンジしてリリースします。ですが、彼らが選んだ曲はそのほとんどが無名だったミュージシャンの作品を掘り出したもので、一般のファンが認知する前からニルソン、エルトン・ジョン、ランディ・ニューマン、ポール・ウィリアムスらの作品を取り上げました。それは、カヴァーされたアーティストをファンが新たに評価するという本末転倒した出来事でした。分析すると、彼らの魅力は変幻自在な適応能力を持ったハイ・パフォーマンスのバンドだった所にあるのかも知れません。曲の魅力を最大限に発揮させる演奏能力と歌唱で、どんな曲でも自分たちの個性を表現できる高い対応能力。今思うと時代に逆行するどころか、とても未来志向なバンドだったのです。

そうそう、なぜ寒くて辛いロケの時に彼らを思い浮かべるのか、その理由をお話ししていませんでしたね。それは、彼らのバンド名はオーストラリアの原住民であるアボリジニの風習に由来していて、極寒の時に3匹の犬と寝ることをスリー・ドッグ・ナイトと言うからです。ちなみに取材時に宿泊させてもらう素敵なシーン・ウォッチャー1号のご自宅、通称:海の家(歩いて30歩でビーチ)では、1号~3号はスリー・ドッグ・ナイト状態にあります。

今回のデザート・ミュージック「ワン」は、マライア・キャリーを筆頭に我こそは優れた音域を持つ実力派ミュージシャンと胸を張るシンガーが挙ってカヴァーする「ウィズアウト・ユー」の作家、ハリー・ニルソンの楽曲で、この曲のヒットでニルソンの名がメジャーになったそうです。

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