素敵なシーンウォッチング FILE07 〜御前埼灯台〜
今回の「ラジオで見る静岡」は、御前埼灯台(おまえさきとうだい)をお送りします。
静岡県御前崎市御前崎(おまえざき)の最南端に立つ、白亜の塔形をしたレンガ造の大型灯台、御前埼灯台は、日本の灯台50選に選ばれているほか、歴史的・文化的価値の高さから、Aランクの保存灯台になっています。周辺は、御前崎遠州灘県立自然公園に指定されていて、雄大な太平洋のパノラマが展開しています。名称は御前崎(おまえざき)に設置されているが、灯台名は「御前埼(おまえさき)」なのです。
絶景ポイントは灯台自体も含めて、高台に設置された灯台ふもとの見晴らし台からの景色で、眼下に見渡す太平洋の青い海が目に飛び込んできます。
昔から、遠州灘は航海の難所で、この沖の岩礁で座礁、難破する船も多かったためこの灯台が設置されました。灯台が設置される以前、1635年(寛永12年)徳川幕府によって見尾火燈明堂(みおびとうみょうどう)が作られていて、当時をしのぶ見張り小屋が灯台入口に複製されています。
御前埼灯台の初点灯は今から146年前の1874年(明治7年)5月1日。その後、1945年(昭和20年)7月24日から太平洋戦争のためのアメリカ軍による艦載機と艦砲射撃によって、レンズや灯器が破壊され、灯塔にも銃弾を浴びて損傷してしまいます。しかし、1949年(昭和24年)3月24日に戦災復旧工事が完成し、建設当初のレンガ造の灯塔を保ったまま美しい灯台に復元され、2009年(平成21年)2月6日には、日本国近代化産業遺産に認定されています。
灯台眼下の海岸線を通る静岡県道357号佐倉御前崎港線は、風が強い日は潮が舞い上がる正に海岸通り。夏には海水浴、そして灯台眼下の右手には通称メロン下と呼ばれるサーフポイントがあり、1年間を通してサーファーに愛される素敵なシーンでもあります。