日本三大清流のひとつ・名水と出会える柿田川公園~素敵なシーン・ウォッチングFILE60~

 水が恋しくなる季節が到来しました。自然環境を大切にと叫ばれるようになって、私たちの身近にある河川も透明度を取り戻しつつありますが、それでも家の近くに流れる川にはペットボトルや空き缶が投げ入れられて、飲むことは不可能な水になってしまっています。

 今回の素敵なシーンウォッチングは、身近な憩いの場にもなっているにも拘わらず、環境庁が指定する「名水百選」に選ばれ「東洋一の湧水」と例えられることもある柿田川公園の柿田川湧水群です。

 柿田川湧水群は、約8500年前の富士山の大爆発によって誕生したと言われ、公園の中にはあちこちから湧き水が溢れ、そのまま飲めるほど水質が優れているため天然記念物にも指定されています。富士山で解けた雪が地下水となり、やがて長い年月をかけて地表に現れて湧水群を形成したのが柿田川なのです。また、この清流によって植物や生物などが豊かに育まれていることもこの湧水群の魅力なのです。

 様々な見どころに溢れる柿田川ですが、一番の魅力はやはり身近にある湧水群という事でしょう。国道1号線に隣接し観光客が立ち寄りやすいロケーションでありながら、採水地としてこの地に生きる人たちの飲み水に活用されています。また柿田川沿いには遊歩道もあり、水を飲むだけでなく自然を満喫することもできる町の中に流れる清流なのです。

柿田川湧水群の特徴は水量が非常に豊富で、1日約100万トンと言われていて、水温も約15度で飲用に適しています。いたるところから清水が湧き出ているため、公園などに立ち寄れば簡単に採水できる柿田川湧水群。水質が良いことからウォーターサーバー用の飲料水などに使用されていて、環境庁が指定する「名水百選」に選ばれています。

 水が恋しくなるこれからの季節、この柿田川公園の湧水は大いなる自然の恵みとして、たくさんの人の身体と心に潤いを与える存在になっているのです。

「湧き間」と呼ばれた湧水ポイント。かつて製紙会社が使用していたとされる井戸の跡から湧水が!
豊かな水をたたえる柿田川
ベンチもあるので一息つきたい時などはお勧めです
第二展望台から柿田川の流れが見え、足元にはコバルトブルーに輝く湧水が!
ブルー・ホールと呼ばれるコバルトブルーに映し出される湧水
公園内には京都貴船神社本宮分社の小さな貴船神社もあります
木で作られた橋は景観に溶け込んで、自然な優しさを演出していました
ゆっくりと雄大に流れる柿田川は、何時間でも見ていることができます
日本で最も短い一級河川。全長1.2km
公園案内図