素敵なシーンウォッチング FILE04 〜大井川鐵道井川線・後編(ひらんだ〜接岨峡温泉)〜
今週お勧めの素敵なシーンは、奥大井レインボーブリッジが架かる接阻湖上に浮かぶように存在する奥大井湖上駅です。この奥大井湖上駅は、某TV番組で放送された「日本の不思議な駅ベスト3」で、第1位に選ばれているという南アルプスあぷとライン・千頭駅から九つ目の駅で、千頭駅から列車で約1時間。井川駅からは四つ目の駅で約40分の乗車となります。
先週もお話ししましたが、南アルプスあぷとラインは、大井川上流部・奥大井の渓谷をゆっくりと走る日本唯一のアプト式電車で、大井川水系ダム建設ために作られた山岳鐡道です。大井川の流れに沿って山間を縫うようにゆっくりと走る列車は、全線の1/3がトンネルと橋梁で占められており、また非常にカーブが多く走行中は車輪が軋む音が絶えません。そのため井川線の機関車および制御客車は水撒き装置を備えているのです。
山岳地帯を走行するため沿線に民家は非常に少なく、利用者は大半が観光客で駅の半数がいわゆる秘境駅となっています。終点駅の井川駅は静岡市内ですが、実は南アルプスの山中で、奥深い渓谷にあります。見どころはたくさんあり、川底から70.8mもある日本で最も高い鉄道橋「関の沢橋梁」(尾盛 – 閑蔵間)や井川ダム、長島ダムなど、雄大な自然の中に突如として現れる巨大な建造物に驚かされます。その中で一番の見どころは、長島ダムによって誕生した接岨湖(せっそこ)中間付近の突き出た山にある奥大井湖上駅です。観光用の無人駅で、ホーム脇には「風の忘れ物」というベルやホーム待合所には訪れた人が書き残す雑記帳「駅ノート」があり、また駅の上段にはコテージ風の休憩棟が作られています。この周辺は、観光客向けにハイキングロードや展望台もあって鉄道マニアを筆頭に大井川鐡道井川線の中でも人気がある場所になっています。
日本の風景ではないような色合いをした絶景。インスタ映え間違いなしの素敵なシーンです!