素敵なシーンウォッチング FILE24 創業60年、日本で唯一、湖上を渡る絶景を結ぶ「かんざんじロープウェイ」
「ラジオで見る静岡」のロケは、大体というかほとんどというか99%、山は歩いて登るというのが至極当然となっていますが、今回は番組始まって以来の優雅でイージーで、それでいて絶景であるという信じがたい恵まれたロケでした。
浜名湖は、日本で10番目に広い湖です。静岡県西部に位置して、南部は遠州灘に通じています。もとは淡水湖が1498年の大地震と高潮により砂州が決壊し外海と通じ、汽水湖となりました。浜名湖の他にもサロマ湖、中海と宍道 (しんじ) 湖なども汽水湖です。この美しく雄大で湖岸が起伏に富んだ湖の上から観覧できるという、日本で唯一のロープウェイが‟かんざんじロープウェイ“なのです。浜名湖の内湾である「内浦」を横断する形で設置されており、日本初の湖上ロープウェイという名に恥じない、素晴らしい景色が体感できるのです。
かんざんじロープウェイの出発駅かんざんじ駅と浜名湖に浮かぶ大草山の山頂(大草山駅)を結ぶ全長723mのロープウェイは、所要時間4分で終了する‟あっ”という間の空中散歩の旅ですが、到着すると再び浜名湖が360度見渡せる絶景に出会えます!一度で二度おいしい!いや、帰りの空中散歩もあるので、一度で三度おいしい絶景の旅なのです。
汽水湖である浜名湖は湖の面積としては日本で10番目の大きさで、かなり複雑に湖岸が入り組んでいます。細江湖(引佐細江)(ほそえこ(いなさほそえ))、猪鼻湖(いのはなこ)、松見ヶ浦(まつみがうら)、庄内湖(しょうないこ)と4つの枝湾(水域)を持ち、これらの面積は湖全体の面積の4割に達するため、湖の周囲長は日本では3番目の長さとなると言います。また、海水と淡水の栄養素が集まるため、魚などの生物が非常に豊富で500種類以上の生物が生息しています。
大草山の山頂の大草山駅には「浜名湖オルゴールミュージアム」が隣接していて、大草山展望台から見渡す360度のパノラマ風景は、遠州灘からアクトタワー、晴天時には霊峰富士まで見ることができます。また毎時00分にはオルゴールの原点でもあるカリヨン(組鐘)がその季節と時間にあった曲を演奏します。
美しいだけでなく、静岡の人々の生活を太古から支えてきた浜名湖。展望台から望む景色の美しさと共にこの風景が語ったことは、人には決して創り出すことの出来ない、尊い自然の恵みでした。この地を愛し、この地に生きるという意味が、絶景からひしひしと伝わってきたのでした。
PS かんざんじ駅は遊園地「浜名湖パルパル」と、大草山駅は「浜名湖オルゴールミュージアム」とそれぞれ隣接していて、ファミリーやカップルで一日遊べるスポットです。