DESSERT MUSIC #43

FANTASYEarth.Wind & Fire (1/25 オンエア)

“歌は世につれ、世は歌につれ”なんていう諺がありますが、要は、‟歌は世の成り行きにつれて変化し、世のありさまも歌の流行に影響される“ということです。しかし、最近はどうも歌が世の中に与えている影響は少ない様な気がします。それは、歌自体の置かれている環境の変化にあるのかもしれません。以前は、世の中でヒットしている音楽は誰もが口ずさめるくらいに広く知られていました。レコード大賞やNHK紅白に登場する歌手は、誰もが知っていましたし、皆が口ずさめる歌でした。しかし、最近はメディアの多様化により、TV、ラジオでオンエアーされても多くの世代に受け入れられるわけではありません。それどころか、YouTubeやスポティファイなどのストリーミング・サービスの出現によって既存のメディアのユーザーとの世代格差が生まれて、ヒットした音楽の正確な集計すら出来ていない状況があります。こういったことから音楽自体もそうですが、ユーザーの音楽ジャンルの分散化によって、楽曲パワーが失われている傾向にあるのではと感じています。

楽曲パワーが最高潮だった時代はいつなのか?これは数値で表すことは難しいですが、レコード売り上げ等の経済的な観点から見るとピークは1970年代の後半です。実は、この盛り上がりにはある映画の世界的な大ヒットがあります。70年代のアメリカ社会を舞台に、ディスコで踊ることでウサを晴らすトラボルタ演ずる青年が大人へ脱皮していくさまを描いた「サタデーナイト・フィーバー」(1977年)。週末ごとに行くディスコが舞台の映画は、世界各国にディスコを作らせました。そこで必要になったのが音源のレコードです。この映画のヒットによって、その後CDが登場する80年代まで音楽産業、そして楽曲パワーは勢いを増して行きます。

さて、今回選んだデザート・ミュージックは、アフリカ系アメリカ人によるファンクミュージック・バンド、E.W&F(アース・ウィンド・アンド・ファイアー)の今から44年前の1977年にリリースされた通算7枚目のアルバム「All ‘N ALL (太陽神)」。モーリス・ホワイトとフィリップ・ベイリーのツイン・ヴォーカルが売りで、ファンキーなサウンドと重厚なホーンセクションが特徴で、映画「サタデーナイト・フィーバー」の世界的ヒットによりレコード売り上げが飛躍的となった背景もあり、このアルバムもディスコでの需要も含んで世界的に大ヒットしました。

秋葉神社の日の出を見た時に、物凄いパワーを感じて浮かんだ曲がこのアルバム「太陽神」の収録曲「ファンタジー」です。楽曲自体のパワーはもちろん、このアルバム・ジャケットのインパクトは絶大でした。幸福の鳥居に勝るとも劣らない豪華絢爛な輝き。このジャケット、アートワークは長岡秀星で、ピラミッド、神殿と宇宙というコンセプトが内容にぴったりきます。また、ラメセス王の像の台座のヒエログリフの中に風林火山の文字が隠されている当り、日本人イラストレターの巨匠とうなずける作品に仕上がっています。

アース(地)ウィンド(風)ファイアー(火)とネーミングされた総勢10人の大型バンドが放った「太陽神」は、僕、個人の中では、朝日に浮かんだ秋葉神社を歌った楽曲だったんだという錯覚が生まれるほどインスピレーションを掻き立ててくれました!故に今回のデザート・ミュージックはE.W&Fの「ファンタジー」です!

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