DESSERT MUSIC #20

「Harbor Lights」Boz Scaggs (8/ 17 オンエア)

今回のデザート・ミュージックは、ボズ・スキャッグスの「ハーバーライツ」。

元祖AORといわれるボズ・スキャッグス。AORがここから始まったといっても過言でない大旋風を巻き起こしました。そのきっかけとなったのが、1976年にリリースした7枚目のアルバム『シルク・ディグリーズ』です。ボズ自身の出世作となり、当時500万枚以上を売り上げビルボードでは初のトップ10入りを果たし、R&Bチャートでは6位を獲得。また、初めてイギリスでもチャート・インを果たしました。

60年代から音楽活動を始め、高評価を得ていたボズ・スキャッグスの名はこのアルバムで一躍世界的なものになりました。このアルバムでは、後にTOTOとして名を馳せるジェフ・ポーカロ(ds)やスティーヴ・ルカサー(g)など腕利きミュージシャンが参加。彼らの奏でる洗練されたサウンドとボズの渋いソウルフルな歌声で、アダルト・コンテンポラリーというジャンルを一気に世に広めました。

このアルバムには、グラミー賞を受賞した「ロウダウン」(全米3位)、ボズの代名詞的なバラード「ウィアー・オール・アローン」が収録されていますが、今回デザート・ミュージックに選んだ「ハーバーライツ」は、歌の冒頭に〝東京ローズ“という歌詞が入る、日本人には気になるメローなナンバーとなっています。ちなみにこの〝東京ローズ“という歌詞は、特定な人物を指しているわけではなく、謂わば想像の女性にあえて名前を付けた…そんな感じでしょうか。

 港のエキゾティックで心が揺らぐイメージが、パステル画の様に写し描かれたメロー&スィートなバラード「ハーバーライツ」。出向する船がゆっくりと港を出て行く姿がイメージされます。